◆体脂肪が増える理由
体脂肪は、年齢とともに増えやすい傾向にあります。理由は、年齢とともに基礎代謝量が減っていくからです。
その基礎代謝量が減る要因としては、1つは生活習慣にあります。
年とともに運動量が減ると、筋肉の量が減っていきます。それでも若い時と同じように食事をしているため、慢性的な食べ過ぎ飲み過ぎ状態になりやすいのです。そのため、体脂肪となって体の中に蓄積されます。
こういう生活習慣では、体重に変動がなくても体脂肪が増加しているということになります。
食事を抜く・カロリーを極端に減らす方法のダイエットを行うと、体が「次はいつ食べ物が入ってくるかわからないからたくさん蓄えておこう!」という飢餓感を持つようになります。
その結果、エネルギーを脂肪としてたくさんためやすい状態になり、 体脂肪が増えやすくなることもあります。
◆内臓脂肪と皮下脂肪
体脂肪には、皮下脂肪(皮膚の下に蓄積される脂肪)と、内臓脂肪(内臓のまわりに付く脂肪)があります。内臓脂肪が多い肥満は、生活習慣病の原因になると言われています。
内臓の周りにたまった脂肪は代謝が盛んで、血液中の脂質濃度を高める原因となります。
またインスリン抵抗性といって、すい臓から分泌されるインスリンの働きを悪くします。
さらに、脂肪細胞からは血圧を上昇させる物質が分泌されます。
その結果、脂質異常症、糖尿病、高血圧、さらにはこれらが重なったメタボリックシンドロームなどをまねきやすくなるのです。
おなかがポコっとしてきたり、ウエスト周りが90cmをこえたら内臓脂肪に要注意です。
皮下脂肪は、おもに皮膚のすぐ下にある皮下組織に蓄積する脂肪です。
全身につきますが、 特にお尻や太ももなど下半身に集中してつくため、皮下脂肪が多い肥満の体型は、見た目にも脂肪がついていることがわかりやすいでしょう。
皮下脂肪は、男性より女性に蓄積しやすい傾向があります。
少しずつ蓄積され、体温の維持や、内臓や骨を保護する働きがあるため、落としにくいという特徴があります。
◆内臓脂肪と皮下脂肪を落とすには
内臓脂肪が蓄積されるのは、偏った食事によるエネルギー過多が大きな原因なので、
日々の食事内容を見直し、バランスの良い食事へと改善しましょう。・食事のチェックポイント
3食の栄養バランス
腹八分目(食べ過ぎ×)
ゆっくりよく噛んで食べる(早食い×)
夜食(寝る前2時間は食べない)
アルコール( 健康の目安とされる量:1日当たりビール大瓶1本、日本酒1合、ワイン2杯程度)
運動で効果を上げるには、脂肪燃焼に効果的な有酸素運動がおすすめです。
ウォーキングやジョギング、水泳などで長時間、軽度~中度の負荷をかけて体を動かすことで、内臓脂肪が消費されます。
さらに、無酸素運動である筋トレも取り入れることで、基礎代謝量がアップし、効率的に内臓脂肪を減らせる体質になります。(スクワットやプランク等)
皮下脂肪を落とす場合も、エネルギーの過剰摂取を避けて、消費エネルギー量がやや多い状態を目指しましょう。
脂質や糖質の量をコントロールして、必要以上にとらないように気をつけましょう。
ただし、過度な食事制限は筋肉量まで落としてしまうので、バランスの良い食事へと改善しましょう。(たんぱく質、糖の吸収抑制が期待できる繊維質)
運動で皮下脂肪を減らすには、全身を鍛える筋トレをメインにします。
基礎代謝量が多いほど、効率良く皮下脂肪を落とせるため、筋トレで筋肉を増強して、基礎代謝アップを目指してください。(スクワット、レッグレイズ、クランチ、プランク)
ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、脂肪燃焼に効果的です。
食事の改善と筋トレの継続をメインにして、余裕があれば有酸素運動も取り入れてみましょう。